Snowboaring in El Colorado

5. サンチアゴ帰還編 (7/26〜7/27)

●坂の街・バルバライソ

決して快適とはいえない夜行バスの旅も、二度めとなると覚悟もできており、今回は道が良いこともあって結構しっかり眠れて翌朝を迎えました。さて今日はどうしようか。ガイドブックの情報をもとに、太平洋岸のVina Del Mar(ビーニャ・デル・マル)とValparaiso(バルパライソ)という街に向かうことにしました。サンチアゴからはバスで2時間弱です。

サンチアゴに到着したら、まずは今夜の宿探し。初日に泊まったLivertadorでも良いのですが、南米基準が染み込んできた身には、ちょっと値段が高く感じられてしまいます。Lonely Planetには他にも安宿がいろいろ載っているので、それで目をつけて直接乗り込んでみました。値段はLibertadorの三分の一ぐらいなのですが、さすがに英語が通じません。辞書を引っぱりだして必死の会話の結果、sin bano(バスなし)の部屋を1泊1500円ぐらいで確保しました。これでこの後の行動が楽になります。そのままホテルに荷物を預けてバスターミナルに戻り、Vina Del Mar行きのバスに乗りました。

Cable Car in Valparaiso Vina Del Marは、海に面した高級リゾート都市、といった感じらしいのですが、まだ朝が早いせいか、どうもあまり活気が感じられません。カジノが有名らしいので行ってみたのですが、まだ開店前らしく寂れています。近所の公園に行ってみましたが、やはりどうもパッとしないので、ここはさっさと引き上げて、隣町のValparaisoに移動することにしました。通りかかったバスに乗って10分かそこらで着くので、まさに隣町なのですが、その間で一転して周囲の雰囲気が変わり、庶民の住む古くからの港町という感じになりました。ガイドブックによると、場所によっては治安が悪く注意が必要とのことで、バスを降りる場所を間違えないようにと、ちょっと緊張します。

Valparaisoは、海に向かって横に広がった街で、すぐ後ろには小高い丘が迫って来ています。神戸なんかの雰囲気に近いかな。でもって、その丘に向かって、"Ascensor"と呼ばれるケーブルカーのようなものが、至るところに設置されているのです。まさにケーブルカー天国。とりあえずガイドブックを見て、規模の大きそうな"Ascensor Artilleria"というのに乗ってみました。ValparaisoのAscensorも、小さいものは箱根あたりの温泉旅館の専用ケーブルカーみたいな感じなのですが、これはまあそこそこの大きさです。このあたりは街の端っこなので、登った上から見ると、街を側面から眺めるような感じになります。帰りはのんびりと階段の歩道を降りて、そのまま街の中心部へ。もう一つぐらい登ってみようかということで、"Ascensor Concepcion"というのに乗ってみます。このあたりは街の中央にあたり、山頂駅の付近はちょっとした公園のようになっていることもあって、海を眺めながらくつろぐにはちょうど良いところでした。ついでに軽く昼食を取り、またしても階段で降りて行きます。

Elevator in Valparaiso Valparsisoというのは、要するに海とケーブルカーの街で、一応それ以外にも博物館とかあるようですが、結局のところこうやってケーブルカーに乗っては海と街を眺める、というのの繰り返しぐらいしかやることは無いようです。とはいえ、ひとつの街にこれだけ沢山のケーブルカーがあり、それがどれも個性的で、海の眺めも綺麗とあれば、それだけでも十分に満足なのですが。というわけで、サンチアゴに帰るまでにはまだ時間がありそうなので、お店などを覗いたりしてブラブラ散歩しながら、街の反対側の端にある、"Ascensor Polanco"を目指します。ちょっと遠くて20分ぐらいかかりましたが、着いてみるとびっくり。左の写真がそれです。といってもわからないかもしれませんが、入口(写真右)のところがトンネルのようになっていて、そこを地中に向けて歩いて行くと、そこにケーブルカーではなくエレベーターがあるのです。でもってそのエレベーターに乗ると、とちゅうで地表に出て、塔の中をさらに登っていき(写真左)、塔のてっぺんに到着、そこからは橋のような通路を歩いていくというわけです。しかもこれがあるのは、観光地というよりはむしろ普通の住宅地。まいにち坂道を登るのが面倒だったんだろうけど、面白いもん作るよなあ。

最後のAscensorにいたく感心して、 Valparaisoは満喫。そのままバスターミナルまで歩いて戻り、再び2時間ほどのバスの旅でサンチアゴに戻ったのでした。

●人生初のスノーボード体験、アンデスに沈む

El Colorado さて、超格安で見つけたHotel Parisですが、バス共同の狭い部屋です。旅行も一週間が過ぎて疲れがでてくる頃、泊まってはみたものの、さすがにちょっとくつろげません。翌朝、フロントに行って「バス付きの部屋に変えてもらえないか」と交渉します。どうせならもっといいホテルに移れよって話もありますが、それも面倒臭いし、バス付きのほうは部屋も広くてまあまあくつろげそうです。さて、そのまま荷物を預けて出発します。

今日はどうしようかと考えましたが、サンチアゴの街もだいたい見たし、やはりここは当初の目的に戻って、もう一日スキーをしていこうと決めました。簡単に行けそうなスキー場ということで、最初に行ったLa ParvaやValle Nevadoに隣接しているEl Coloradoに行くことにします。さっそく地下鉄に乗って"SkiTotal"に向かいました。一度来ているところなので、慣れたものです。さて、バスの申込みをして、スキーをレンタルしようかというところで、ふとひらめきました。

「この前いったスキー場と雰囲気はほとんど同じだろうし、何か変わったことをしたい。そうか、スノーボードだ!」

1995年といえば、今と違って、スノーボードというものがようやく世間に認められ始めてきた頃です。我ながらなかなかチャレンジングな決意ではありませんか。聞いてみるとSkiTotalにはスノーボードは置いてないとのことで、スキー場に行ってから借りることにしました。例のごとく猛スピードで飛ばすバスに揺られて1時間強、El Coloradoのスキー場に付きました。さっそくスノボをレンタルしてゲレンデに出ます。

最初に行ったLa Parva, Valle Nevadoと今回のEl Coloradoの位置関係は、"个"という字のようになっています。左側の斜めの線がLa Parva、右側の斜めの線がValle Nevado、そして真ん中の縦の線がEl Coloradoです。両側のスキー場はてっぺんでつながっているのに、真ん中のスキー場からはどちらにも滑り込めないという、ちょっと変わったレイアウトです。というわけで、前回は一日で二つのスキ−場を回ったのに対し、今日は一つだけですから、スキー場全体をたっぷり味わおうと思ってゲレンデに出たのですが…。駄目です。スノーボードを舐めちゃいけません。いくらスキーが滑れるからって、これは全然別のスポーツです。いやまあたぶん、スキーも滑ったことのない人に比べれば、これでも多少は滑れているのでしょうが…。どうにかリフトには乗れたものの、最初のコース一本を降りてくるのに30分以上かかってしまいました。初心者コースだっていうのに。とりあえずもう少し練習しないと先には進めそうにないので、もう一度同じリフトに乗って練習です。最初より少しはマシになりましたが、それでも転びまくりで、やっぱり20分以上かかりました。膝とお尻を打ちまくってます。かなりきついです。とりあえず休憩します。その後は意を決して隣の中級コースに行ってみましたが、いやーもうこれが精一杯。上級コースは断念です。結局もう一度初心者コースに戻り、練習と休憩を繰り返すうちに、帰りのバスの時間になったのでした。いやーもうヘトヘトです。


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